八王子市のギター教室「Music Studio Polku」の小俣です。
世界のさまざまなギタリストの経歴や演奏スタイル、代表曲を紹介する「ギタリスト名鑑」。
今回紹介するのは、ジェフ・ベック(Jeff Beck)です。

ピックを使わず、指、トレモロアーム、ヴォリュームノブを同時に操作し、ギターを人の声のように歌わせたギタリストです。
ブルースロックからジャズ・フュージョン、電子音楽まで進みながらも、一音を聞けば本人と分かる個性を保ちました。
まずはLIVE映像から
Ronnie Scott’sでの「Cause We’ve Ended As Lovers」です。
ピッキングの強弱だけでなく、右手の指、トレモロアーム、ヴォリューム操作によって一音ごとの立ち上がりを変えています。静かな部分から強い音へ移るダイナミクスが見どころです。
ジェフ・ベックのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | Geoffrey Arnold Beck |
| 生年月日 | 1944年6月24日 |
| 出身 | イングランド・サリー州ウォリントン |
| 主な活動 | The Yardbirds、Jeff Beck Group、ソロ |
| 主なジャンル | ロック、ブルースロック、ジャズ・フュージョン |
| 主な使用ギター | Fender Stratocaster、Gibson Les Paul |
経歴
1965年にThe Yardbirdsへ加入し、ファズ、フィードバック、特殊な音色を積極的に使いました。
「Shapes of Things」などで、ブルースを土台にしながら実験的なロック・ギターを聞かせています。
その後Jeff Beck Groupを結成。ロッド・スチュワート、ロニー・ウッドらと活動し、重いブルースロックを展開しました。さらにBeck, Bogert & Appiceを経てソロ活動へ進みます。
1975年の『Blow by Blow』、1976年の『Wired』では歌のないインストゥルメンタルを中心に、ロックとジャズ・フュージョンを融合。
「Cause We’ve Ended As Lovers」「Led Boots」などを代表曲にしました。
1980年代以降はStratocasterを中心に、フィンガーピッキングとトレモロアームを組み合わせた独自の奏法を完成させます。2023年1月10日に亡くなるまで、世代やジャンルを越えた共演を続けました。
主な奏法
指で弾くピッキング
親指と人差し指を中心に弦を弾き、音量と音色を細かく変えます。
ピックよりも弦へ直接触れるため、弱い音から鋭い音まで幅広いニュアンスを出せます。
トレモロアームで音程を歌わせる
チョーキングだけでなく、アームで音程を上げ下げします。
音の入り口を下からすくい上げたり、伸ばした音の後半だけを揺らしたりするため、滑らかな声のように聞こえます。
ヴォリューム奏法
右手小指でヴォリュームノブを操作し、ピッキング音を消して音を浮かび上がらせます。
アームと組み合わせることで、ギターらしくない滑らかな発音になります。
ハーモニクスとノイズの制御
人工ハーモニクス、開放弦、フィードバックを演奏へ混ぜます。音を出す技術だけでなく、不要な弦を止める右手・左手のミュートが非常に重要です。
使用ギターと音作り
初期にはLes PaulやTelecaster系のギターも使いましたが、後年を象徴するのはFender Stratocasterです。
シグネチャーモデル、トレモロアーム、ノイズレス系ピックアップを使い、アンプと指先で音を作ります。
歪みは深くても、ピッキングを弱くすると透明感が残る設定が特徴です。
まず聴きたい代表曲
- 「Cause We’ve Ended As Lovers」:音色とダイナミクス
- 「Freeway Jam」:リフとフュージョン感覚
- 「Where Were You」:ハーモニクスとアームによる浮遊感
- 「Big Block」:強いリフと荒々しい表現
- 「Nadia」:人の声に近い滑らかな音程操作
ギター講師として感じるポイント
ジェフ・ベックの奏法をそのまま再現するのは簡単ではありませんが、まず学べるのは「一音の出し方は一種類ではない」ということです。
同じ音程でも、指の腹、爪、アーム、ヴォリューム操作で表情は変わります。
練習へ取り入れるなら
- ピックを置き、親指と人差し指で単音を弾く
- 一音を伸ばし、アームでゆっくり半音下げる
- ギターのヴォリュームをゼロから上げ、ピッキング音を消す
- 同じフレーズを弱音・中音・強音で弾き分ける
- 使っていない弦を両手でミュートする
まとめ
ジェフ・ベックは、速さだけでなく、発音、音程、音量、余韻をリアルタイムで操ったギタリストです。
「Cause We’ve Ended As Lovers」で一音の変化を追い、「Where Were You」でハーモニクスとアーム、「Freeway Jam」でリズムの強さを聴いてみてください。
主な参考資料
※プロフィールおよびリンクは2026年9月10日時点で確認しています。
DAIJI OMATA

ギタリスト、音楽プロデューサー。
13歳でギターをはじめ、作詞作曲編曲を開始。
以後、バンド活動を経て、ギタリスト、音楽プロデューサー、作編曲家などの現役プロミュージシャンとして活動中。
東京都八王子市みなみ野にて、音楽教室を運営。
めじろ台・相原・片倉・北野・城山・鑓水・高尾・西八王子・橋本・相模原から通いやすい個人レッスンの教室です。


