【ギタリスト名鑑】トム・モレロ|経歴・代表曲・奏法・使用ギターを紹介

八王子市のギター教室「Music Studio Polku」の小俣です。

世界のさまざまなギタリストの経歴や演奏スタイル、代表曲などを紹介する「ギタリスト名鑑」。

紹介するのは、トム・モレロ(Tom Morello)です。

ライブでエレキギターを演奏するトム・モレロ

Rage Against the Machine、Audioslaveなどで活動し、ギターからDJのスクラッチ、サイレン、電子音のような音を作る独創的なギタリストです。

一方で、演奏の土台には覚えやすいリフ、正確な休符、ブルースやハードロックの基本があります。特殊な音だけでなく、バンド全体を動かすリズムが大きな魅力です。

この記事では、トム・モレロの経歴、代表曲、主な奏法、使用ギターを、ギタリスト・講師の視点も交えながら紹介します。

目次

まずはLIVE映像から

最初に観てほしいのが、2010年にロンドンで演奏された「Bulls on Parade」です。

重いリフと細かな休符を正確に繰り返し、ソロではワウ、トグルスイッチ、弦をこする動作によってDJスクラッチのような音を作ります。ギターの一般的な使い方を外れながら、曲のリズムからは離れない演奏です。

トム・モレロのプロフィール

項目内容
本名Thomas Baptist Morello(トーマス・バプティスト・モレロ)
生年月日1964年5月30日
出身アメリカ・ニューヨーク州ハーレム生まれ/イリノイ州育ち
主なジャンルラップメタル、オルタナティヴロック、ハードロック、フォーク
主な活動Rage Against the Machine、Audioslave、The Nightwatchman、Prophets of Rage、ソロ
主な使用ギターArm the Homeless、Fender Soul Power Stratocaster、Telecasterなど

モレロは、ギター、作曲、ヴォーカルを手がけるほか、社会・政治的な発言と活動でも知られています。

Harvard Universityで社会学を学んだ後、ロサンゼルスへ移り、音楽活動を本格化させました。

Rage Against the Machineの結成

Lock Upでの活動後、1991年にザック・デ・ラ・ロッチャ、ティム・コマーフォード、ブラッド・ウィルクとRage Against the Machineを結成しました。

1992年のデビューアルバム『Rage Against the Machine』では、ヒップホップのリズム、ヘヴィなギターリフ、政治的な歌詞を融合しました。

「Killing in the Name」「Bombtrack」「Know Your Enemy」などでは、低音弦のシンプルなリフを休符とアクセントで強く聞かせています。

『Evil Empire』『The Battle of Los Angeles』では、Whammyペダル、ディレイ、トグルスイッチなどを使った音色をさらに発展させました。

Audioslaveと歌を支えるギター

Rage Against the Machineの活動停止後、クリス・コーネルをヴォーカルに迎え、Audioslaveを結成しました。

「Cochise」「Like a Stone」「Show Me How to Live」では、モレロらしいリフと効果音を残しながら、コーネルの歌を支える広いコードと空間的な音も使っています。

Rage Against the Machineよりテンポと音数を抑えた曲も多く、特殊奏法だけではない作曲家としての幅が分かります。

ソロ、The Nightwatchman、共演

アコースティック中心のThe Nightwatchmanでは、フォークソングの形で歌とメッセージを届けています。

Prophets of Rage、Bruce Springsteenとの共演、ソロ作品など活動は幅広く、エレキギターでは新しい音を試しながら、アコースティックではコードと歌をシンプルに聞かせます。

Rage Against the Machineは2023年にRock & Roll Hall of Fameへ殿堂入りしました。

トム・モレロの演奏は何が特徴なのか

1.休符のある重いリフ

低音弦の単音やパワーコードを、鳴らし続けず短く切ります。

ドラムのキックとスネアに合わせて音を置き、音を出さない瞬間までリフの一部にしています。

2.トグルスイッチによる断続音

二つのピックアップのうち一方を無音にし、セレクタースイッチを素早く切り替えます。

ギターの信号が細かくオン/オフされ、機械的なスタッター音やDJのようなリズムが生まれます。

3.Whammyペダルによる大きな音程変化

Digitech Whammyを使い、弾いた音を一オクターブ以上変化させます。

通常の運指では届かない急激な音程移動を、ソロのフックとして使っています。

4.弦とノイズを楽器として使う

ピック以外の物で弦をこする、プラグやスイッチのノイズを使う、フィードバックを動かすなど、ギター全体を音源として扱います。

ただし動きはリズムへ正確に合わせているため、単なる効果音ではなくフレーズとして聞こえます。

5.ペンタトニックとファンクの土台

特殊奏法の合間には、ペンタトニック、オクターブ、ワウを使った基本的なロック/ファンクのフレーズがあります。

土台が明確だからこそ、変わった音が曲の中で強い対比になります。

使用ギターと音作り

「Arm the Homeless」と呼ばれるカスタムギターは、モレロを象徴する一本です。複数回の改造を経て、ハムバッカー、ロッキングトレモロ、独特なグラフィックを備えています。

AudioslaveではFender Soul Power Stratocasterを中心に使用。キルスイッチ的な操作ができるセレクターとトレモロを生かし、リフから特殊音まで対応します。

アンプとペダルの構成は比較的絞られており、Marshall、Whammy、ワウ、ディレイ、EQなどを長く使用しています。

機材の数を増やすより、限られた道具から何種類の音を作れるかを重視する発想です。

まず聴きたい代表曲・演奏動画

Bulls on Parade

ワウを使ったリフと、スクラッチのようなギターソロを聞ける代表曲です。

Killing in the Name

シンプルなリフを反復し、バンド全体の強弱によって曲を拡大していきます。音を止める位置とドラムの関係に注目してください。

Like a Stone

Audioslaveでのメロディーと空間の使い方が分かる曲です。ソロではWhammyによる音程変化を、歌うフレーズとして使っています。

代表的なアルバム

  • 『Rage Against the Machine』(Rage Against the Machine/1992年)
  • 『Evil Empire』(Rage Against the Machine/1996年)
  • 『The Battle of Los Angeles』(Rage Against the Machine/1999年)
  • 『Renegades』(Rage Against the Machine/2000年)
  • 『Audioslave』(Audioslave/2002年)
  • 『Out of Exile』(Audioslave/2005年)
  • 『One Man Revolution』(The Nightwatchman/2007年)
  • 『The Atlas Underground』(2018年)

ギター講師として感じる、モレロから学べること

モレロの演奏から学べるのは、手持ちの機材を新しい視点で使うことです。

特殊なペダルがなくても、ピックアップセレクター、ヴォリューム、弦のミュート、フィードバックには多くの可能性があります。

ただし、変わった音を出すだけでは曲になりません。クリックに合わせて同じ音を繰り返し、休符とアクセントを固定すると、効果音がリフへ変わります。

練習へ取り入れるなら

  1. 低音弦の短いリフを弾き、休符で完全に音を止める
  2. ミュート音だけで16分音符を一定に刻む
  3. ヴォリュームをゼロにした音と通常音を交互に切り替える
  4. ワウを一定のリズムで開閉する
  5. 一つの効果音を二小節のパターンへする
  6. 録音し、ドラムやクリックと音の開始・終了を確認する

まとめ

トム・モレロは、重いリフ、正確な休符、エフェクト、スイッチ操作、ノイズによってギターの役割を広げたプレイヤーです。

特殊な音に注目が集まりやすい一方、その土台にはロック、ファンク、ブルースのリズムがあります。

まずは「Bulls on Parade」でリフとスクラッチ音を聴き、「Killing in the Name」で休符、「Like a Stone」で歌を支える音作りに注目してみてください。


主な参考資料

※プロフィールおよびリンクは2026年9月10日時点で確認しています。

DAIJI OMATA

講師の笑顔の写真

ギタリスト、音楽プロデューサー。

13歳でギターをはじめ、作詞作曲編曲を開始。

以後、バンド活動を経て、ギタリスト、音楽プロデューサー、作編曲家などの現役プロミュージシャンとして活動中。

東京都八王子市みなみ野にて、音楽教室を運営。
めじろ台・相原・片倉・北野・城山・鑓水・高尾・西八王子・橋本・相模原から通いやすい個人レッスンの教室です。

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