八王子みなみ野のギター教室「Music Studio Polku」の小俣です。
世界のさまざまなギタリストの経歴や演奏スタイル、代表曲を紹介する「ギタリスト名鑑」。
今回紹介するのは、イングヴェイ・マルムスティーン(Yngwie Malmsteen)です。

クラシック音楽の語法とハードロックを結び付け、1980年代の速弾きギターへ大きな影響を与えました。
高速フレーズが目立ちますが、ハーモニック・マイナー、ペダルポイント、強いヴィブラートなど、音楽的な特徴が明確です。
まずはLIVE映像から
東京公演での「Far Beyond the Sun」です。
高速のスケール、アルペジオ、ペダルポイントに加え、ロングトーンのヴィブラートまで一曲で確認できます。
速い音の粒だけでなく、フレーズの最後に置かれる長い音へ注目すると構成が見えやすくなります。
イングヴェイ・マルムスティーンのプロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | Yngwie Johan Malmsteen |
| 生年月日 | 1963年6月30日 |
| 出身 | スウェーデン・ストックホルム |
| 主な活動 | Steeler、Alcatrazz、Rising Force、ソロ |
| 主なジャンル | ネオクラシカルメタル、ハードロック |
| 主な使用ギター | Fender Stratocaster |
経歴
スウェーデンでクラシック音楽とロックの両方を吸収し、10代からデモ音源を制作しました。
1980年代初頭にアメリカへ渡り、Steeler、Alcatrazzへ参加します。
Alcatrazzの『No Parole from Rock ’n’ Roll』で注目を集めた後、1984年に『Rising Force』を発表。
ギター中心のインストゥルメンタルと歌ものを組み合わせ、ネオクラシカルメタルの代表的なスタイルを確立しました。
「Black Star」「Far Beyond the Sun」「Trilogy Suite Op: 5」などで、クラシック由来のスケール、分散和音、対位法的な発想をハードロックへ持ち込みます。
その後も自身の名義で作品とツアーを継続。演奏だけでなく、作曲、プロデュース、ヴォーカルなども担いながら独自のスタイルを守っています。
主な奏法
ハーモニック・マイナー
ナチュラル・マイナーの第7音を半音上げたハーモニック・マイナーを多用します。
ドミナント上ではフリジアン・ドミナントの響きも使い、クラシカルな緊張感を作ります。
ペダルポイント
同じ高音または低音を反復し、その間に別の音を動かします。右手の弦移動が多くなるため、速度より小さなピッキング動作が重要です。
高速スケールとアルペジオ
3ノート・パー・ストリングのような均等配置だけでなく、音楽的なまとまりに沿った運指を使います。
スウィープ的なアルペジオも、コード進行を明確にする役割があります。
強いヴィブラート
速いパッセージの後、長い音へ幅広いヴィブラートを加えます。この対比があるため、演奏が単なる音階練習に聞こえません。
使用ギターと音作り
Fender Stratocaster、特にスキャロップ加工された指板のシグネチャーモデルが象徴的です。
フレット間の木部が削られているため、軽い力でもチョーキングやヴィブラートを掛けやすい反面、押さえ過ぎると音程が上がります。
Marshallアンプとオーバードライブを使った明るく鋭い音で、速いフレーズの輪郭を保ちます。
まず聴きたい代表曲
- 「Black Star」:叙情的なメロディーと速弾き
- 「Far Beyond the Sun」:代表的なネオクラシカル・インスト
- 「Trilogy Suite Op: 5」:アルペジオと構成力
- 「I’ll See the Light, Tonight」:歌ものの中でのリード
- 「Rising Force」:ハードロックとしての推進力
ギター講師として感じるポイント
イングヴェイの練習では、原曲テンポへ急ぐほどフォームが崩れやすくなります。4音または6音単位で区切り、左手と右手が同時に動く速度を探すことが大切です。
速い部分と同じくらい、最後のチョーキングやヴィブラートを丁寧に練習すると、フレーズ全体が音楽になります。
練習へ取り入れるなら
- Aハーモニック・マイナーをゆっくり上下する
- 同じ高音を挟む4音のペダルポイントを作る
- 3弦だけの短いアルペジオを均等に弾く
- 6音単位でメトロノーム練習する
- 高速フレーズの最後にロングトーンを置く
まとめ
イングヴェイ・マルムスティーンは、クラシックのハーモニーとロック・ギターの音色を結び付けたギタリストです。
まず「Far Beyond the Sun」で全体像をつかみ、「Black Star」でメロディー、「Trilogy Suite Op: 5」でアルペジオの構成を聴いてみてください。
主な参考資料
※プロフィールおよびリンクは2026年9月10日時点で確認しています。
DAIJI OMATA

ギタリスト、音楽プロデューサー。
13歳でギターをはじめ、作詞作曲編曲を開始。
以後、バンド活動を経て、ギタリスト、音楽プロデューサー、作編曲家などの現役プロミュージシャンとして活動中。
東京都八王子市みなみ野にて、音楽教室を運営。
めじろ台・相原・片倉・北野・城山・鑓水・高尾・西八王子・橋本・相模原から通いやすい個人レッスンの教室です。


