【ギタリスト名鑑】デヴィッド・ギルモア|経歴・代表曲・奏法・使用ギターを紹介

八王子市のギター教室「Music Studio Polku」の小俣です。

世界のさまざまなギタリストの経歴や演奏スタイル、代表曲などを紹介する「ギタリスト名鑑」。

紹介するのは、デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)です。

ライブでエレキギターを演奏するデヴィッド・ギルモア

Pink Floydのギタリスト/ヴォーカリストとして、ロック史に残る数多くの作品へ参加してきました。音数を詰め込まず、チョーキング、ヴィブラート、休符、音色を使って、一音を強く印象づける演奏が特徴です。

この記事では、デヴィッド・ギルモアの経歴、代表曲、主な奏法、使用ギターを、ギタリスト・講師の視点も交えながら紹介します。

目次

まずはLIVE映像から

最初に観てほしいのが、2016年にポンペイで演奏された「Comfortably Numb」です。

前半ではフレーズを短く区切り、後半へ進むほど音域と熱量を上げています。速さではなく、一音の到達点、音を伸ばす時間、次のフレーズまでの間によって大きな物語を作る、ギルモアらしい演奏です。

デヴィッド・ギルモアのプロフィール

項目内容
本名David Jon Gilmour(デヴィッド・ジョン・ギルモア)
生年月日1946年3月6日
出身イングランド・ケンブリッジ
主なジャンルプログレッシブロック、サイケデリックロック、ブルースロックなど
主な活動Pink Floyd、ソロ、作曲、プロデュース
主な使用ギターFender Stratocaster、Fender Telecaster、Gibson Les Paul、ラップスティールなど

ギターだけでなく、ヴォーカル、ベース、キーボード、作曲、プロデュースも手がけるミュージシャンです。

Pink Floydではギターと歌に加え、楽曲のアレンジや音作りにも深く関わりました。長い曲の中で、必要な場所へ必要な音だけを置く感覚が、バンドの広いサウンドを支えています。

Pink Floydへの加入

ギルモアは、学生時代からシド・バレットと親交があり、複数のバンドで演奏経験を積みました。

1967年末にPink Floydへ参加。当初は状態が不安定になっていたバレットを補う役割でしたが、やがてギターとヴォーカルの中心を担うようになります。

『Meddle』『The Dark Side of the Moon』『Wish You Were Here』『Animals』『The Wall』など、1970年代の代表作で、歌うようなギターソロと空間的な音色を確立しました。

「Time」「Money」「Shine On You Crazy Diamond」「Comfortably Numb」では、数音の短いモチーフを発展させ、曲の感情を大きく動かしています。

ソロ活動とPink Floyd後期

1978年に初のソロアルバム『David Gilmour』を発表。1984年には『About Face』を制作しました。

1980年代後半以降はPink Floydを率い、『A Momentary Lapse of Reason』『The Division Bell』を発表。大規模なLIVEでも、スタジオ作品の緻密な音像を再構成しました。

その後は『On an Island』『Rattle That Lock』、2024年の『Luck and Strange』など、間隔を空けながらソロ作品を発表しています。

ソロ活動では、Pink Floyd時代の広がりを残しながら、ブルース、フォーク、家族との共演など、より個人的な表現も聞かせています。

デヴィッド・ギルモアの演奏は何が特徴なのか

1.音程を歌わせるチョーキング

ギルモアのチョーキングは、単に高い音へ持ち上げるだけではありません。

目標音へ一気に届く音、途中で止める音、ゆっくり上げる音を使い分けています。半音、全音、一音半といった幅も正確で、フレーズが人の声のように聞こえます。

2.幅と速さを変えるヴィブラート

音を伸ばした直後から揺らす場合と、少し待ってからヴィブラートを加える場合があります。

揺れ幅も一定ではなく、曲の緊張感に合わせて変化します。ヴィブラートを装飾ではなく、音の後半を作る技術として使っているのが特徴です。

3.ペンタトニックを中心にした明快なメロディー

多くのソロは、マイナー/メジャーペンタトニックやブルーススケールを土台にしています。

特別に複雑な音階を並べるのではなく、同じ音を違う弦で弾く、音域を変える、リズムをずらすといった方法で展開を作ります。

4.休符を含めて完成するフレーズ

一つのフレーズを弾き終えた後、すぐ次の音を入れず、コードやヴォーカルが聞こえる時間を残します。

この間があるため、次に入る一音が強く聞こえます。ギルモアのソロを練習するときは、音符だけでなく休符の長さもコピーすることが重要です。

5.ディレイとサステインによる空間づくり

歪み、コンプレッション、ディレイ、リヴァーブを使い、音を長く伸ばしながら奥行きを作ります。

エフェクトを目立たせるのではなく、ピッキングした音と残響が一つのフレーズとしてつながるように設定されています。

使用ギターと音作り

ギルモアを象徴するのはFender Stratocasterです。特に黒いボディーの「The Black Strat」は、Pink Floydの重要な録音とLIVEで長く使われました。

ほかにも赤いStratocaster、Telecaster、Gibson Les Paul、アコースティックギター、ラップスティールなどを曲ごとに使い分けています。

アンプではHiwatt、歪みではファズやオーバードライブ、空間系ではディレイを組み合わせるサウンドが有名です。

ただし、機材を同じにしても、チョーキングの音程と音を止めるタイミングが曖昧ではギルモアらしくなりません。まずは演奏の強弱と一音の長さを整えることが大切です。

まず聴きたい代表曲・演奏動画

Shine On You Crazy Diamond

ゆっくりした展開の中で、四音のモチーフを中心に世界観を作る曲です。音数が少なくても、音色と間によって演奏が成立することを確認できます。

In Any Tongue

ソロ作品でのギルモアらしさを知るのに向いた曲です。後半のソロでは、短いモチーフを繰り返しながら音域と強さを上げています。

Comfortably Numb

メロディー、チョーキング、ヴィブラート、構成のすべてが分かりやすく表れた代表曲です。フレーズの数より、同じ音をどれほど表情豊かに弾いているかに注目してみてください。

代表的なアルバム

  • 『The Dark Side of the Moon』(Pink Floyd/1973年)
  • 『Wish You Were Here』(Pink Floyd/1975年)
  • 『Animals』(Pink Floyd/1977年)
  • 『The Wall』(Pink Floyd/1979年)
  • 『David Gilmour』(1978年)
  • 『The Division Bell』(Pink Floyd/1994年)
  • 『On an Island』(2006年)
  • 『Rattle That Lock』(2015年)
  • 『Luck and Strange』(2024年)

ギター講師として感じる、ギルモアから学べること

ギルモアの演奏から学べるのは、少ない音でフレーズを成立させる方法です。

スケールを速く上下するより、二音か三音だけで問いと答えを作る方が難しいことがあります。音程、強弱、休符がはっきりしていれば、短いフレーズでも十分に印象を残せます。

また、チョーキングは指の力だけでなく、耳で音程を判断する練習が欠かせません。目標音を先に弾き、その高さを覚えてからチョーキングすると精度が上がります。

練習へ取り入れるなら

  1. 目標音を先に弾き、同じ高さまで全音チョーキングする
  2. 音を一秒伸ばしてからヴィブラートを加える
  3. ペンタトニックで二小節だけの短いフレーズを作る
  4. フレーズの後に一拍または二拍の休符を置く
  5. 同じ三音を音域とリズムだけ変えて繰り返す
  6. ディレイを薄く加え、残響を聞きながら次の音を置く

まとめ

デヴィッド・ギルモアは、一音の音程、長さ、音色によって大きな情景を作るギタリストです。

正確なチョーキング、幅のあるヴィブラート、ペンタトニックを生かしたメロディー、休符、空間系エフェクトによって、技巧を楽曲の感情へ変えています。

まずは「Comfortably Numb」でソロの構成を聴き、「Shine On You Crazy Diamond」で間の使い方、「In Any Tongue」で現在につながる表現を確認してみてください。


主な参考資料

※プロフィールおよびリンクは2026年9月10日時点で確認しています。

DAIJI OMATA

講師の笑顔の写真

ギタリスト、音楽プロデューサー。

13歳でギターをはじめ、作詞作曲編曲を開始。

以後、バンド活動を経て、ギタリスト、音楽プロデューサー、作編曲家などの現役プロミュージシャンとして活動中。

東京都八王子市みなみ野にて、音楽教室を運営。
めじろ台・相原・片倉・北野・城山・鑓水・高尾・西八王子・橋本・相模原から通いやすい個人レッスンの教室です。

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